プレゼント おまけ






「・・・・だって、コンラッドが、芝が欲しいなんていうから・・・」

ユーリがそう言って、言葉が出てこなかった。
なんて・・・。

俺は、頬が緩むのをとめられなかった。

「なんだよ!仕方ないだろうっ!?」
「いえ。嬉しいです、本当に・・」

顔を出したユーリに我慢できずにキスをした。
なんて、愛しい。

俺はもう、とっくにあなたのものなのに。
そして、あなたも俺のものだと、自惚れていたのに。
臣下としてはあるまじき気持ちだけれど。

欲しい物は?と聞かれたとき、考えなかったわけじゃない。
本当は、欲しかったけれど。
だって、いくら貰っても、足りないくらい全てを欲しいと思っているから。

ユーリの腕が、俺の首に回る。
だから、キスを深くして。

「ん・・好き、コンラッド・・」
「俺もです」

キスの合間に、そう告げる。
こういう時のユーリはとても色っぽい。
普段の健全な少年の姿は影をひそめる。
そして、そんなユーリの姿を知っているのは、俺だけ。

その事実に眩暈がしそうなほどの陶酔感を覚える。
あぁ、溺れている、この人に。

ちゅっと舌を吸って、唇を離した。

「はぁ・・」

ユーリに渡したい物があるから。

ベッドサイドの引き出しを開ける。

「・・コンラ、ッド・・?」
「はい、ユーリ」
「え、何?」
「クリスマスプレゼントです」

ユーリの手をとってはめた指輪。

「ぅわ・・・」

大きな目を更に大きくして薬指を見つめるユーリに、俺は目を細めた。
可愛い。

「普段は、首につるせるようにチェーンも用意しておきましたから」
「あ、りがと・・・。ごめん、こんな・・・俺ばっか、もらって・・」

ユーリが、まだ赤いままの顔で、潤んだ目で俺を見上げてくる。

「俺こそ、沢山貰っています。この指輪だって俺の我侭だ。それをきいてくれるあなたに、
俺は甘えてるんですよ?」
「そんなことっ!だって・・嬉し・・」
「喜んで貰えたなら、俺も嬉しいですよ」

そう言って、キスをする。

「ぁ・・」

ユーリの唇から、小さな声が、吐息とともに漏れる。

「俺も、同じモノを持ってますからね」
「んっ・・」
「いつか、本当のエンゲージリングを贈りますから」
「ぁっ・・ん・・」

握り合った2人の左手の薬指には、おそろいの指輪。
コンラッドはユーリの手を取ってその指輪にキスをする。

「もう一度、いいですか・・?」

言いながら、ユーリの体をなぞる。

「んっ、ぅ・・。も、やって、言えるわけ・・ないっ」

こんな、シチュエーションで。こんな、幸せなのに。

コンラッドは笑顔で、ユーリにキスをおくる。

「ユーリ・・」

ありったけの想いをこめて、そう名前を呼ぶ。
それだけで、ユーリが喘ぐ。

そのまま、再びシーツの海に溺れていった。

聖なる夜。
素敵な恋人達のクリスマス。