となり ぽかぽかとした小春日和。 木の下で本を読んでいる恋人を見つけた。 「コンラッド、みっけ」 そう言って近づくと、本から目を上げて、俺を見た。 コンラッドに見上げられるのは、なんだか新鮮。 「陛下・・」 「あ、また・・っ」 「すいません、ユーリ。お一人でここまで?」 少し咎めるように言われて、俺はムッとした。 「だって、コンラッド探してたんだよ」 俺のそばにいなかった、コンラッドが悪いんだ。 言外にそう言ってやる。 「それは、すいませんでした」 俺は、膝をついて、四つん這いになってコンラッドの手元を覗き込んだ。 「なに読んでんだ?」 「あぁ、大したものじゃ。・・エッセイのようなものです」 「へぇ・・」 「ユーリがいなくて暇だったんで、暇つぶしですよ」 「ふーん」 そんなに暇なコンラッドも珍しい。 思ったことが顔に出たのか、コンラッドが苦笑した。 「俺の仕事は、ユーリの護衛だから」 「あ、そうか。そうだよな・・」 俺はコンラッドの顔を見つめた。 「なに、ユーリ?」 にっこりと笑ったコンラッドが、俺を見つめる。 顔が熱い。 俺の、名付け親で、護衛で、野球仲間で、保護者で・・・恋人。 「ユーリ?」 「なんでもないっ」 俺は、顔を背けて、コンラッドの背中にもたれかかった。 「俺さ、眠くって」 「そーなんですか」 「今日は、暖かくって、気持ちいーし」 コンラッドがくすっと笑った。 「どうぞ、寝てください」 「ホント?」 「えぇ。俺がついてますから、安心して眠ってください」 「へへ。ありがと、コンラッド」 俺は、コンラッドの肩にもたれて、目を閉じた。 「おやすみ、ユーリ」 額に降って来た優しいキス。 やっぱり、俺って幸せものだ。
意味なし、突発SS。 戻