今日からマ王!アニメ最終回「マた会う日まで」
ええ、何時まででも待っていますとも!また会える日をっ(題名です/笑)











ユーリが眞魔国に帰ってきた。
出かけていた、母上やヨザックも急いで呼び戻して、国をあげてのお祝いとなった。

やっぱり、ユーリがいないと。

そう思った。
皆が嬉しそうで、生き生きとしている。
確かに、この国には、ユーリが残した沢山の物がある。
短い間に、きっと誰も忘れることの出来ない魔王となった。
だけど、何処を探しても、ユーリはいない。
地球という、ユーリが生まれた世界で、ユーリが生きている。
時間が経てば薄れてしまうような、その事実だけしか、残っていなかった。

ただいま、と言って笑ったユーリをみたとき、世界が、やっと本物になった気がしたんだ。














夜、城の大ホールではパーティーが開かれている。
ユーリが初めて眞魔国にきたときとは、出迎え方が全然違う。

「こんなところで何をしてるんですか?」

さっきまで、ヴォルフラムに絡まれていたのに、バルコニーで一人、
空を見上げているユーリを見つけて、コンラッドはその背中に声をかけた。

「コンラッド・・」

そう言って、ユーリが振り返る。

「主役がいなくなってはダメでしょう?」
「大丈夫、みんな楽しんでるよ」

明るい会場を見て、ユーリが嬉しそうにそう言った。
コンラッドはバルコニーの手すりにもたれかかっているユーリに近づき、
手すりに腰を預けた。

「パーティーは嫌でしたか?」
「違うよ。すっげーうれしいって。みんながこんな風に迎え入れてくれて。
喜んでもらえて。でもさ、なんか・・恥ずかしくって」

そう言って、ユーリが苦笑する。

「恥ずかしい?」
「そう。学校を転校して、でも一学期後には元の学校に戻ってきたみたいっていうか。
だってさ、もうこっちには帰ってこれないと思って。それでも俺は地球に帰って。
あんなふうに、別れたのにさ。なのに・・・」

ユーリが頬を掻く。

「帰ってくることができて、大げさに別れたのに恥ずかしい?」
「そー・・」

そういって、ユーリはコンラッドの胸にもたれかかった。
そして、小さく呟く。

「・・・あいたかった」
「ユーリ」
「すごく、あいたかった」
「俺もです」

コンラッドがユーリの肩を抱く。

「いっつも、もっと長い間離れてることだって、あるはずなのに。凄く、すごくあいたかった」
「・・・えぇ」
「コンラッド、引き止めてくれないし」
「すいません」
「・・・・わかってるよ、コンラッド優しいし。・・だけどね・・」
「すいません」

ユーリがコンラッドの胸に顔を埋め、きつく抱きついた。
コンラッドも、ユーリを抱きしめる。

「・・・あ、これ・・」

ユーリがズボンのポケットから、ペンダントを取り出した。
どんなときも肌身離さずつけていたそれは、紐がボロボロになっていた。

「これ、ずっと持ってた」
「はい」
「いっつも、見てた。こっちに戻って来る前もね、コレを見てた」
「はい」
「なのに、コンラッドはいなくて・・・」
「ユーリ」
「寂しかった」
「俺もです」

少しだけ潤んだ目をして、ユーリがコンラッドを見上げた。

「今日、泊まってもいい?」

ユーリの声が甘えたものになる。
コンラッドは少し驚いて、それからにっこり優しい笑みを浮かべた。

「もちろんです」

二人の影が重なる。
しっかりと抱き合って、口付けを交わした。








2年間、お疲れ様でした! 戻ってくるのを待っています!