貴方のことを好きなワケ 「だってコンラッド、モテるじゃん」 「ヤキモチですか?」 少しムッとしながら言った俺に、コンラッドはいつもの爽やかな笑顔でそう言った。 「今日だってお姉さんにナンパされてたじゃんか」 「それは俺の気持ちとは関係ありませんよ」 「城の奴らも皆コンラッドは女にモテるって言ってるし!」 「ですから…」 話しの内容は、何故コンラッドがユーリを好きなのか、だ。 端からみたら痴話喧嘩にもならないノロケ意外の何者でもない話しなのだが、 ユーリは大真面目だ。 「そんだけモテるのに、なんで俺なわけ?」 「・・・陛下は、俺に好かれるのが嫌でそんなことを聞くんですか?」 「っ、ちが、違う!そんなわけないだろっ」 勢いで否定して、赤い顔を伏せる。 そんなんじゃない。これはただの・・・・・・。 「陛下」 「陛下って言うな」 「ユーリ。なんでそんなことを?」 「だ、って・・・」 コンラッドは黙ってユーリの言葉の続きを待つ。 「だって、不思議だろ!百年以上生きてて女の人と付き合ったことが無いワケじゃ無いだろ? 実際凄くモテるじゃん!そしたら、なんで俺なんかって思うだろ!?」 俺がコンラッドに出逢ってからの時間なんてわずかだ。 「・・・不安ですか?」 コンラッドに言われて嘘をつけないユーリは動揺を隠せない。 不安にならないワケ、ない だけど、別にコンラッドが悪いワケじゃ無くて。 「だって、俺はコンラッドの3分の1も生きてない子供で、男で全然頼りないし。 コンラッドはカッコよくて俺なんかと違って女にモテて、いつも余裕で、悔しくなる。 追い掛けてるのは俺ばっかり。絶対、そのうち女のが言いとか言い出すよ。 ・・・ジュリアさんのこと、だって・・・」 「ジュリアは友人です」 「違う!彼女の魂が俺だから、だから大事にするんだろっ!」 「ユーリ」 強くコンラッドがユーリを呼ぶ。 ハッとした。言わないって決めてたのに。 ユーリはたまらずうつむいて葉を噛み締めた。 「そんなに不安にさせているとは気付かないですいません」 謝罪するコンラッドにユーリは首を振る。 コンラッドが悪いんじゃない。 「ユーリにこんな顔させるなんて、恋人失格かな」 「そんなこと・・・」 「でもね、ユーリはわかってない。俺がどれだけ貴方を想っているか」 「んなこと言われたって、わかるわけねーし」 「ユーリ、俺を見て?」 コンラッドがユーリの頬に手を添えて、そって顔を上げさせる。 「俺が好きなのは、貴方ですよ」 真っ直ぐに目を見て告げられる。 「他の男にも女にも興味ありません。貴方だけです」 まだ不安そうなユーリににこりと微笑む。 「どこが好きだとか言えないくらい、貴方が好きなんです。言葉で言い表せるほどちっぽけな想いじゃない」 「・・・」 ユーリは言葉も無く、ただただコンラッドを見つめる。 こんな風に想いを告げられるのは初めてだ。 「それでも、貴方が不安だと言うなら、いくらでも言います。 貴方の真っ直ぐな瞳が好きだ、同じような黒い髪も、その心も体も。存在全てが愛しい」 ユーリの顔が真っ赤になる。 「ちょっ、コンラッド・・・!」 「貴方はジュリアとは違う。その髪も、瞳も。姿形、性格。 心の在り方は似ているかもしれませんが、それでも、俺は貴方とジュリアを重ねたことは一度も無い。 ジュリアとは違う。貴方を愛してるんです」 「たんま!待って…いい、もういいからっ」 恥ずかしくて堪らない。この男は何を言うんだ。 「言い訳させて下さいよ。貴方を不安にさせたんですから」 にっこり ・・・・もしかして、コンラッドさん?ちょっと怒ってます? 笑うコンラッドは、その笑みと裏腹に少し恐い。 俺が何も言えないのをいいことにコンラッドは続ける。 「大体、俺は余裕なんてないですよ。ただ見せないだけです」 「何でだよ」 「そんなカッコ悪いとこ、好きな人に見せられるわけないでしょう?」 「なっな・・・」 「本当はいつも回りに嫉妬しとるし、独占したくて仕方ないんです。 だけど、そんなことして自由を奪って、貴方をダメにしたくないですから」 「・・・コンラッド」 「それになにより。貴方が俺を見ていてくれてる、と信じていますから。 可愛いヤキモチも焼いてくれますし」 「う・・・・」 信用してないと言われているようで胸が痛い。 「ごめ、コンラッド・・・」 「いいですよ。もう平気ですか?」 「ん」 ユーリは、赤い顔のまま、恥ずかしそうに視線をさ迷わせる。 「可愛いですよ、ユーリ」 その頬にコンラッドどが唇を寄せる。ユーリがコンラッドを見ると、今度は唇にキスがふってきた。 「っ、コンラッド・・!」 「また不安になったらちゃんと言ってください。まぁ、そうならないよう気を付けますが」 「ん、コンラッド・・・」 ユーリは頷いてコンラッドの首に腕を回した。
微妙に題名と合ってない。 えーっと・・これも発掘したやつなんですが。 ジュリアさんとユーリ・・。コンはどう思ってるんでしょうね・・。 戻