電話


アドレスを教えてもらってからの初めてのメールを俺は今打っている。

相手はもちろん、快斗だ。


「送信っと。」


電話をすれば早い話だが、なんとなく文字で伝えたかった。

伝えたいのに伝えられないこと

伝えてしまえば今の不安定な関係が更に崩れてしまう、だから気持ちがバレるか、バレないか

微妙な内容のメールを送った。



すると突然、携帯から聞きなれた旋律が聞こえてくる。電話だ。

相手は…

「…はい」

「もしもし?新一か?」

今メールを送った張本人、快斗だ。

「なんだ?聞きたいことって。」


さて、言うべきか言わないべきか。

けれど頭のいい快斗だからきっとバレてるんだろうな…



俺は快斗の質問に応答した。



「快斗の声が聞きたかったんだよ」