昼寝
「あっれー?なぁ、おチビしんねー?」
部室の机の下を覗き込みながら聞く。
そんなところに居るわけがないだろうと、少し考えれば分かりそうなのに。
リョーマを探してロッカーまで調べている菊丸だから、少しはまともな探し場所なのかもしれない・・・。
そんなことをリョーマにばれたら思いっきり怒鳴られるだろうが。
「越前ですか?そんなとこには居ないと思いますけど・・・。裏庭とか、水飲み場の方じゃないっスか?」
そんな菊丸を見て、少しばかり呆れながら桃が答えた。
「ホントに!?サンキュー桃!!」
お礼を言うが早いか、菊丸は部室を飛び出していった。
部室に残っていた平部員(爆)とレギュラー+αは唖然とそれを見送った。
「エージのやつ、どうしたんだろうね。ねぇ、手塚・・・?」
「さあな。また騒ぎにならなければいいが・・・。あの二人が唐突に何かを仕出かすのはいつもの事だしな・・・」
手塚は重たいため息をついて、止めていた着替えの手を再び動かしだした。
それに習って不二も着替え始める。
「そうだ、手塚・・?今日は、うちに来るよね?」
「いや、今日も・・・・・」
「来る、よね?」
「・・・・・・・・ああ・・・・。」
強制連行(笑)するんなら、拒否権が無いのなら、はじめから聞くな。と思いつつ(今更)手塚は頷いた。
「我慢してたぶん、付き合ってもらうからね。」
自分は明日ちゃんと部活が出来るのだろうかと、手塚はわが身を案じた。
「あ!おチビ見っけ〜!!」
先に裏庭を探しにきた菊丸は、寝転んでいるリョーマを見つけてそちらに走っていった。
しかし、リョーマの反応はない。
おかしいな、と思いつつ、顔を見ると、かわいい顔して寝息を立てていた。
「うっわ〜〜〜〜!!おチビ、かっわいー」
(んでも、こんなとこで、こんな無防備に寝てたらダメだよな。)
うんうん。と一人頷きながら、菊丸は笑いながらリョーマの寝顔を見ていた。
そうして、しばらく菊丸が眺めて(たまにほっぺたをつついたり、髪の毛触ってみたりして)いると、
リョーマが小さく身じろいだ。
「・・・・ぅ・・・ん・・・・」
「あ、おチビ。起きた?」
「・・・・ん?・・・・・・・」
目を開けたリョーマは目をこすり、数回瞬きをして視界をはっきりさせた。
目の前で満面の笑みを浮かべている菊丸を首を傾げて見つめる。
「・・・・・・先輩・・?なんで、ここにいるの・・・・・?」
(うーんvvvやっぱりカワイイなぁvvv)
「うん?おチビを探してたんだよん♪んで、見つけたら気持ちよさそうに寝てたから、寝顔鑑賞してたv」
「なっ!?////どうして起こしてくんなかったのさ!?」
「えー?だって、おチビってば、すっげ可愛かったんだぜ?堪能させてイタダキマシタ」
「信じらんない!!!」
リョーマは顔を赤くさせたまま、ふい、と横を向いた。
だから気づかなかった。菊丸がいつもになく、妖しく笑ったことに・・・・。
「ね、おチビ?信じらんないついでにさ、ここでヤっちゃおっか♪」
「・・・・・・・・・・は?」
リョーマはなんとも、間の抜けた返事を返した。
聞き間違えか、なにかの捕らえ間違えかと、現実逃避に走る。
以前のリョーマならば、ホントに何のことか分からず、首を傾げているのだろうが、
菊丸と付き合い始めてはや半年(くらい)。
はじめは色事に興味は無く、そのため普通の中学1年生よりも無知で純粋だったリョーマも、色々と・・・・・。
ホンっトーにいろんなことを教え込まれてきた。
知りたくも無いことを。
そのまま気づかぬ振りをしてその場を立ち去ろうかと本気で考えた。
しかし、
「まさか、俺から逃げられるなんて、思ってないよな?おチビちゃん」
そっと、菊丸の方を向く。
そこには、すでに男の顔をした菊丸が、リョーマの方を見て笑っていた。
そして、リョーマはその場から逃げることが不可能に近いことを今更ながら気づいた。
「んっ・・・・・ぅ、あ・・・・・っ・・!!」
さっきまでリョーマが寝ていた学校の裏庭で、カラダの下にレギュラーの証であるジャージを敷いて、リョーマは菊丸に組み敷かれ、息を荒げていた。
「リョーマ、目、開けて・・・・?こっち、見て・・・」
リョーマは菊丸の声に、微かに反応しながら、そっと、いつの間にか閉じていた目を薄く開いた。
そこには、いつもの無邪気なカワイイ笑顔とは違う、カッコよく笑っている菊丸が優しい目でリョーマを見ていた。
「っぁ・・・・」
そんな菊丸にリョーマはただ、見惚れていた。
すると、リョーマの想いを知ってか知らずか、笑みを深くした菊丸の顔が近づき、リョーマの顔に影を落とす。
気づいたときには唇を塞がれていた。
ちゅ、ちゅ、と軽く唇を啄ばまれる。
どこかくすぐったくて、身をよじるが、菊丸によって、動きを封じられてしまう。
「逃げるなよ・・・・・」
そういって、薄く開いていたリョーマの唇を舌先で割り、口腔に潜り込む。
「ふっ・・・・う・・・・ぁ、んぅ・・・・っ」
初めは逃げいた舌も、菊丸の舌に絡め取られ軽く吸われるとすぐに受け入れ反応を返し、リョーマからも求めた。
その間にも、行為は進められており、を捲くし立てたシャツから覗く胸の突起に指を這わせた。
「う・・・ぁ・・・、あ、やっ・・・・」
満足に息も出来ないほどの激しいキスに、喘ぐこともままならない。
顔の角度を変えようと、離された唇。
すると、リョーマの口の端から嚥下出来なかった混ざり合った唾液が零れ落ち、顎から首筋にかけてを濡らした。
その光景に菊丸はゴクリと喉を鳴らした。
「リョーマ・・・・・」
耳元で、息を吹きかけるように。普段、絶対に聞けないような低い声で菊丸は囁いた。
「ぁっ・・・!」
再び、近づいてきた顔に、再びキスされるのかと、条件反射でキュっと瞳を閉じた。
しかし、リョーマの顔に降ってきたのは少し癖のある菊丸の髪の毛が僅かに掛かっただけで、熱い舌を感じたのは胸元だった。
「あ、あぁっ!!」
胸を弄っていた指の変わりに舌を這わせ、突起を口に含み舌先で突起を転がす。
そして、両手はカラダのラインを辿って下へと降りていく。
片方の腕を背中に回し背筋を辿るとリョーマのカラダはビクン、と跳ねた。
そのまま少し腰を持ち上げ、空いているもう片方の手で膝の下あたりまでズボンと下着を一緒に下ろした。
すでに反応を示している自身が空気に晒されて震える。
それを大きな手で包み込み、指を動かす。
「あぁ!!やぁ、はっ・・・やぁっ!!」
リョーマのカラダが大きく跳ねる。
胸に這わせていた舌が、ツ・・・と下におりていく。
そして、そのままリョーマ自身を口腔内に含んだ。
「や!あぁ・・・!!」
生暖かくねっとりとした舌を自身に絡ませられリョーマは一際高い声を上げた。
「ひぁぁ!!ふぁ、やっん・・・・も、イっ・・・ちゃ・・・!」
リョーマがイきそうになったとき、菊丸が根元を掴んでそれを止めた。
「やっ!な・・・・でェ・・・?」
リョーマは涙で潤んだ目を英二に向けた。
「ん?だって、時間ないしさ。一緒にイった方がいいでしょ?だから、少し・・我慢してね」
後ろに舌を這わせていく。
「あ・・・・ふっ・・ぅ・・・・」
「リョーマ。舐めて、濡らして・・・」
そういって、菊丸はリョーマの口の中に、指を二本入れた。
「うぁ・・・・ふ・・・ん・・・」
リョーマは懸命に菊丸の指に舌を這わせる。
「ん。も、いいよ」
そういって口から指を抜く。
リョーマの唾液に濡れた指が妖しく光り、つぅ・・と糸を引く。
その濡れた指をまだ硬く閉ざされた蕾にツプ・・・・と入れた。
「う・・・・あ・・・!やぁ・・・」
先ほど舌でほぐしてあったたが、やはりキツイのだろうか・・・?
「リョーマ、平気?」
「う・・・ん・・。だい・・じょ、ぶ・・・」
指を2本、3本と増やしていき、掻き回す。
自分の中で暴れる指が、リョーマのイイところを掠めてははぐらかし、と焦らしてばかりだ。
「や・・・もっ・・・やぁ!!エー・・・ジィ・・・。も、は・・・やくっ!!」
「ん?早く・・・なに?」
「やだぁ!・・早く、ちょ・・・だい・・・。エージ・・が、欲・・・し・・よぉ・・・」
息も切れ切れに喘ぎながらリョーマが菊丸を求める。
「ん。いいよ。上げるよ、たくさんね・・・」
そういうと、菊丸はリョーマから指を抜き猛った自身をリョーマにあてがい、そのまま一気に奥まで入れた。
「ひあぁぁぁ!!!あっやぁ・・・!え・・・じ、ェ・・・ジィ・・・!!」
リョーマは涙を流しながら菊丸にすがった。
菊丸の首に腕を回し、キスを強請る。
薄く開かれた唇から喘ぎと共に、微かに覗く赤く濡れた舌がとても扇情的で・・・。
言葉を発しずとも、リョーマの声を違えず理解した菊丸は、リョーマの唇に自分の唇を重ね舌を絡ませた。
キスを強請る、その行為に立派に煽られた菊丸はリョーマを突き上げるスピードを速めた。
自分も限界に近づいてきた菊丸はリョーマを戒めていた指を解いた。
「あっあっ!ひ・・・あぁぁああああああ・・・!!!」
すでに限界を超えていたリョーマは指が離れるとすぐにイってしまい、そのときに締め付けられた菊丸も、リョーマの中に熱を放った。
「ばかばかばかばかばかばかばか!!!サイッテーーー!!ホンットに信じらんない!!
スケベ、変態、エッチ、万年発情期男・・・・!!!もー、口きいてあげないっっっ!!!!」
「おチビ〜、ゴメンってばぁ!!お願い、許して〜」
「普通、こんなとこでヤル!?」
「うぅ〜・・・。だって、おチビの寝顔可愛くってさぁ、我慢できなかったんだってばぁ!
寝込み、襲わなかっただけまだまし・・・・・・・」
「そー言う問題じゃない!!!もー、しばらく、エッチ禁止だからね!もし、やったら浮気するからね!?
嫌いになるからね!!!」
「えー、そんにゃぁ!おチビだって、いつもより、積極的だったじゃんかぁ!気持ち、よかったでしょ?
外でヤルの。スリルあって!!俺、一回、外でヤッてみたかったんだよね〜」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!エージのばかぁぁぁぁ!!!!!」
性懲りもなく、気持ちよかったかと聞いてくる菊丸に、リョーマは顔を真っ赤にさせて叫んだ。
それから一週間ほどリョーマに指一本触れられなかった菊丸が、我慢できず限界になり、
リョーマに謝り倒して、一日下僕という(パシリとも言う)約束と共に解禁にされ、
嬉しさのあまり加減を忘れてめちゃくちゃに抱いてしまったため、再びリョーマに怒られたのは別の話。
そして、リョーマがもう二度と菊丸にエッチ禁止と言う罰を与えまいと思ったのも、また別の話・・・。
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