「ただいまー」
「おそい!!」

帰ってきた新一に、快斗は即座にそう言った。


5月4日


「待ってたのにー!」
「悪かったって。中々帰してもらえなかったんだよ」
「ひっでー」
「快斗・・悪かったって。な?」

本当は誕生日は一日一緒にいる予定だったのに、蘭たちから呼び出しがかかり、警察から呼び出しがかかり。
新一が帰宅できたのは9時過ぎだった。

「しらなーい」

すっかり拗ねてしまっている快斗に、新一も困ってしまう。

「かぁいと、なーってば」
「ふんだ。いっぱいお祝いしてもらってきたでしょー?もってモテだもんね、新一はー」
「快斗・・・」

何で自分の誕生日なのに、俺が快斗の機嫌とんなきゃなんねーんだよ!
大体、昨日の夜だって、日付変更前からずっと離してくんなかったくせに!!

「おーい、快斗。なー、快斗―」
「知りませーん」
「・・・・・・・・快斗・・・」
「俺は拗ねてんの」
「ガキみてーなこと言ってんじゃねーよ!」
「ガキで結構!」

くっそ。こうなれば・・・!

「・・・・お前は、祝ってくんねーの・・・・?」
「ふんだ・・・。いっぱい、祝ってもらったでしょ」
「俺は、快斗に・・・・祝ってもらいたいのに・・・・」

あ、やべ。入り込みすぎた。言っててマジで悲しくなってきた。

「ちょ、新一・・・?」
「・・・・っ」
「・・っふ・・・」

くそー・・。俺の誕生日なのにっ!

「新一!」
「しるかっ」
「ごめん。俺が悪かったって!!」
「帰ってきたら・・・お前がいると思って。楽しみに、して・・・」
「うん、ごめん・・。ゴメンね?」

ぎゅっと、快斗が抱きしめる。
その背中に新一も腕を回す。

「かいと・・・」
「新一・・、誕生日、おめでと・・」

優しい声色。それと一緒に降りてくる唇。
そっと目を閉じて、新一はそれを受け入れた。

「ん・・ゃ・・」

深くなるキスに、新一は焦って、快斗を押し返した。

「快斗、ちょ・・まっ・・、飯は・・?」
「それより、新一のがいいなー」
「ばーろっ!俺は、お前が待ってると思って飯もケーキもなんも食わねーで帰ってきたんだぞ!」
「え・・・」
「・・・なんだよ。お前、飯食っちまった?」
「とんでもない!」
「ホントかよ?」
「うん!一緒に食べよう!」

喜々としてテーブルのセッティングに取り掛かった快斗を、新一は優しい笑顔で見送った。

やっぱり、自分の記念日は好きな人に祝って貰うのが嬉しい。何よりも。

俺のためだけのご馳走。俺のためだけのケーキ。俺へだけ向けられる気持ち。
俺だけの、快斗・・・。

「新一、準備できたよ。食べよ?」
「あぁ。」

新一は綺麗に飾られているテーブルの席についた。
向かいの席には快斗が座る。

「新一、改めて。Happy Birthday」
「ん、サンキュ・・快斗」

愛されてると感じるのはこんなとき。
こっちが恥ずかしくなるくらいの優しい表情。
新一は赤い顔をごまかすように、料理に手をつけた。
そんな新一をなおも快斗は見つめる。

「好きだよ、新一」
「・・・・・知ってる」



Congratulations!
Happy Birthday To Shinichi Kudoh





誕生日記念小説・・・?これが?という感じですが。 かけないかけないー!書きかたを忘れたみたいに全然かけない(泣) プレゼントとかね、全部日付変更と同時に貰ってるんですよ。 盛大に祝ってもらっちゃってるんです。 そして、またきっと新一は寝かせてもらえないんですよ(笑)