朝
朝
「ん・・・・・・」
気がついたら朝だった。
寝た気がしない。
ボーっと天井を見つめた。
「おはよ、新一」
隣からかかった声に新一がそちらを向けば、優しく微笑む顔。
「かいと・・・」
「おはよ?」
「ん・・はよ・・」
抱きしめてくる快斗の腕に抗うことなく大人しく収まる。
それどころか、胸に擦り寄ってくる始末。
「新一〜?」
「あったかい・・・」
人肌が気持ちいいのだろう。
朝はまだ肌寒い。
自ら腕を回して抱きついてくる新一に、快斗の顔に思わず笑みがこぼれる。
快斗は抱きしめて、サラ・・と新一の髪を梳いた。
すぐそこにある、新一の寝顔。
白い身体に散った紅い痕。
胸にかかる吐息。
・・・うっわ、すっごい・・目の保養というか・・目の毒というか・・・。
今手を出したら絶対に怒られる。口聞いてもらえない。
ってか殺される!
愛してる相手のしどけない姿が目の前に、いや、腕の中にあるのに何も出来ないこの辛さ!
・・・新一には絶対にわからないんだろうなぁ・・・。
だけど、こうしている今、とても幸せを感じる。
「・・・新一、起きないの?」
囁くように訊く。
「ん・・寝る。ねむい・・。お前も、ねろ・・」
「俺も?」
「んだよ・・。おきんのか・・?」
うっすら目をあけて見上げる。
「・・んーん、一緒に寝る。」
「なら、いい・・・」
抱きつく腕に力が篭って。
同じだけ抱きしめると、満足そうに笑って、新一は再び目を閉じた。
「ホント、かわいいね・・新一は」
本人に直接言おうものならお怒りを買うけど。
頭にそっとキスをして。
腕の中にぬくもりを感じながら、快斗も目を閉じた。
ほのぼの・・・?
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