通学路
通学路
あー、かったりィ・・・。
ふぁ、とあくびをしながら歩く。
土日は完全休日になったって言うのに。
なんで土曜日に学校に行かなければならないのか。
昨日の夜、電話で明日は学校だと告げられて。
梅雨入りしたせいで天気も中途半端。
いや、梅雨は嫌いじゃない。
だけど、ジメジメとした暑さは更にイラつかせて。
いいことなんかなんにもない。
「ふぁ・・・・・」
再び、かみ殺すことなく欠伸をする。
まだ眠くてちゃんと頭が働いてないせいか、背後の人影に気づかなかった。
あるいは、その人物が気配を消すのが上手だっただけかもしれないけれど。
「し〜んいちっ」
「うわっっ!?」
いきなり後ろから抱きしめられた。
「ねむそーだね。でも、そんな顔してたら襲われちゃうよ?」
イヤと言うほど聞き慣れた声。
振り向いた新一はそこに、にっこりと笑っている快斗を見た。
「こんなとこで何してんだよ」
「何って・・・新一に会おうと思って」
「学校の方向は全然違うだろ!?」
「新一は学校あっても俺はないの。家に行ったら哀ちゃんが学校行ったって教えてくれて」
だからきちゃったv
人好きのする笑顔でそう言う快斗に、はぁ、と新一は大きなため息をついた。
「来てどーすんだよ。家で待ってろ」
「えー?」
「えーじゃない」
「やだやだ。一緒に行く。」
「・・・ガキか、お前は」
頭が痛い。
だけど、話しながらも足は学校へ向かって歩いていて。
もう校門が見えてきている。
「ほら、もう着いちまうじゃねーか!さっさと帰れっ」
「いーじゃんか〜、邪魔しないし。新一のこと大人しく見てるから!」
「・・・・・・そーいう問題じゃねェ。」
「さ、早く学校いこ」
新一なんてお構い無しに、快斗は手を引っぱる。
「あ、ちょっ・・!快斗!」
口では止めるが心境はもう諦めモードだ。
別に、文化祭がどうとか言うクラスだけの話し合いのようだし。
快斗がいても問題ないだろう。
何より、捕まれたこの手を振り解けなかった俺が悪い。
きっと、快斗は解っててやってるんだろうから、悔しいけど。
学校にも着いたことだし。
「今日、うちに泊まるの禁止な」
そんな意地悪を言ってやる。
「えー!?」
「学校まで押しかけてきたんだから当たり前だろ」
・・・どうせ、夜になったらコイツのことだから無理やり居座るんだろうけど。
もし素直に帰りやがったら二度と家に入れてやるもんか。
ちらりと顔を見れば難しい顔で何か考え込んでいる。
それでも、家に帰ろうとはしないから、きっとどうやって俺を言い包めるのか考えてるんだろう。
なんだか楽しくて、気づかれないように笑ってやった。
その昔。中学生くらいのときに書いたのかな??
ま、大分書き直しましたけど。
むしろ原型止めてませんけど(笑)
あのままなんて恥ずかしくて載せられない。
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