さーさーのーはー、さーらさら
七夕
「このお祭男め…」
リビングをみて、新一は小さく低くそういった。
「あ、新一!おかえり〜」
「ただいま、快斗。で?これはなんだ?」
「え?何って・・・七夕」
「あぁ、そうだな。今日は七夕だ。
だからって、なんでうちのリビングにそんなもんがあるんだよ!」
「あぁ、貰って来たんだ〜。新一も願い事かくでしょ?」
そういってニコニコと差し出されたのはペンと短冊。
はぁ、と新一は大きなため息をついてソファに座り、
リビングに鎮座する邪魔くさい笹を見上げた。
「・・・外にだせ」
「なんで?」
「笹なんて家の中に置くもんじゃねーだろ!」
「えー」
「えーじゃねえ!ださねぇなら俺は一切参加しないからな」
「あ、それはヤだ」
快斗はちょっとしょんぼりしながら笹を庭へ出した。
それを見て新一は満足そうにし。
新一は戻って来た快斗にコーヒーを頼んだ。
「ってか、笹にもう短冊結んであるじゃねーか」
「あ、うん。少年探偵団のみんなの」
「あいつらきてたのか」
「新一に会えなくて残念がってたよ」
快斗の入れたコーヒーを飲みながら外の笹を見る。
「哀ちゃんの短冊もあるはずだよ〜」
「あいつもか」
さて、と新一がコーヒーを置きテーブルに向かった。
「新一?」
「ん?」
「えっと・・・」
「んだよ。すんだろ?七夕」
「するする!やったね。新一大好きv」
「安い大好きだな」
「そんなことないよ!いっつも言ってるじゃん?」
迫ってくる快斗に、流されまいと押しのけて。
「おら、七夕するぞ」
「ちぇ、けちー・・・っと。さ、短冊書こう〜」
新一に冷たくにらまれて、快斗もペンを手に取った。
「はいはい」
新一はペンを持ってさらさらと短冊に願いを書く。
快斗も同様だ。
「書いた?」
「おう」
「じゃ、飾るね」
「上の方な」
「わかった」
二人の短冊を上の方に結ぶ。
結んでいる快斗をみながら新一が呟く。
「天の川は見えねぇな」
「だねぇ」
高い笹のてっぺんにある二人の短冊。
二人で笹を見上げる。
『快斗が無事に、平和に暮らせるようになりますように。』
『新一が無事に、平和の中で生きられますように。』
更新できず日記に書いた七夕小説、です。
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