悪くない、だって。

悪くない



「さみぃ・・・」
「え、うそ。あったかいじゃん」
「寒いんだよ!いくら暖かくてももう10月なんだよっ」
「えー?」
「えー?じゃねぇ。見てみろ。ほら、鳥肌たってるっての、俺・・・」
「ほんとだ・・・」
「さむい・・・」
「じゃ、何か暖かいもの入れてこようか?」
「いらない」
「そう?」
「・・・快斗、寒い・・・」
「だから・・」
「寒い・・・快斗」
「・・・。はい」

それは新一の精一杯の甘え。
甘えたいサイン。
快斗は嬉しそうに笑って新一を腕の中に閉じ込めた。

「すぐに気づかなくてごめんね」
「いい。あったかい・・」
「それはよかった」

普段は悲しくなるくらいそっけないのに、自分が寂しかったり寒かったりするとこうやって甘えてくる。
それはまるで猫のようだと思う。
まぁそこも可愛いのだけど。
自然、顔が笑う。

―――冬も悪くない。

新一が抱きしめられた腕の中、そう思ったのは快斗には内緒だ。





これ、何時からちゃんとアップされてなかったんだろー(汗)