お正月
I wish...
「はぁ、暇だ・・・」
新一は一人、リビングでコタツに入りため息をついた。
ビールの缶が数本転がっている。
新一の顔もほんのりと赤い。
「・・・今年は一人、かな?」
時間はもう11時を過ぎている。
ま、仕方ないよな。
快斗だって忙しいんだし。
俺だって事件が入るかもって言っちゃったし。
どっちかって言うと、去年一緒に過ごせたことのほうがびっくりだし・・・。
と、新一は自分に言い聞かせるが・・・淋しさは無くならない。
「ばかいとめ・・・」
快斗がいなかったら年越しソバも初詣もなんも出来ねぇじゃねーか。
なんて言ったって、どうしようもないのはわかってるんだけどさぁ。
みかんを食べながらテレビのチャンネルを回しす。
楽しいのねーなぁ。
無難に紅白をぼーっとみる。
歌、興味ないんだけどな、俺。
そう思いかながらソファーにもたれかかると、ウトウトしてきて。
いつのまにか眠ってきた。
「…いち、しーんいち」
「んー…?」
「新一、起きて?こんなとこで寝たら風邪引くよ」
「んぁ?…か、いと?」
新一が、ゆっくり目を開けて、ぼーっとした声で名前を呼ぶ。
数回瞬きをして、もう一度名前を呼んだ。
「かいと…」
新一が快斗に手を伸ばし、腰にぎゅっと抱きついた。
快斗はそんな新一の頭を撫でる。
「うん、俺。ごめんね?でも、ぎりぎり間に合ったよ」
「へ?・・・」
「今、一分前」
目が覚めてきたのか、それでも抱きついたまま新一が見上げてくる。
「・・・・そうだよ、快斗、なんで?・・・だって、仕事・・・」
「って、あれ? 新一、酔ってるね・・」
「質問に答えろってば!」
快斗は心の中で苦笑を浮かべ、新一を抱きしめた。
「新一だって、事件が入るって言ってたのに、なんでうちで寝てるのかなー?」
「俺は、事件が入るなんて言ってねぇ。入るかも、っていったんだ」
「はいはい。 ・・ね?理由なんかいいじゃん。ちゃんと、年越しまでに帰ってきたでしょ?」
テレビでは、カウントダウンが始まった。
「ん・・・、ギリギリだけどな」
「あのねぇ。俺がどれだけ頑張ったと・・」
「・・・わかってる・・」
新一がぐりぐりと頭を快斗の胸に押し当てる。
「・・・うれしい?」
「・・・・・ぅん」
テレビが派手に年明けをつげる。
新一が顔を上げた。
「あけましておめでとう、新一」
「おめでと、快斗」
にっこり笑いあって、どちらともなく顔が近づいていく。
唇が重なった。
「今年も、よろしく」
「こちらこそ」
* * happy new yaer * *
新 一 が 可 愛 く な り す ぎ た
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