めがね
「あ」
「ん?」
真一が風呂から上がると、快斗がパソコンの前に座ってカタカタとボードを打っていた。
別によくあることだ。それはいい。
ただ、少しだけ違ったのは、
「めがね、してたっけ・・・?」
新一が首をかしげる。
「ん?あぁ、これ? 目の保護用」
「・・度は入ってないんだ」
「うん、とーぜん。俺、目ぇいいからね」
快斗が新一の方を向くと、じーっと見ていたのか、新一とばっちり目が合った。
「なに?見とれた?」
「バッカなこと、言ってんじゃねーよっ」
ニッとう快斗に、新一はバスタオルを投げつけた。
わっかりやすいなぁ、新一ってば。
我慢できずに笑ってしまった。
「笑ってんじゃねぇよっ!」
どかっとソファーに座って、快斗をにらみつける。
「ごめんごめん。 んでも、似合ってない?」
「・・・・ん、まぁ・・。似合ってるけど・・」
素直なのか素直じゃないのかよくわからないが、
赤い顔でぼそぼそとそう言う新一が、とてもかわいいと言う事はよくわかった。
「新一」
いつの間に移動したのか、快斗は新一の隣に座っていた。
頬に手が伸びて、撫でられる。
そのまま、上を向かされて、唇をふさがれた。
「んー・・・、ん、」
軽く舌が絡み、吸われて、ちゅっと音を立てて離される。
「ん、はっ・・・」
新一は、小さく息を吐き出し、トロっとした目で快斗を見上げる。
新一はキスに弱い。
セックスはなくても、キスだけで十分満足できるらしい。
そのくらい、新一はキスが好きだ。
「新一」
「ん、快斗・・・」
快斗がもう一度唇を寄せる。
が、新一の手によって阻まれた。
「どーしたの?」
快斗が聞くと、新一の手が伸びてきて、眼鏡にかかる。
ん?と思っていると、眼鏡がはずされた。
視界がクリアになった気がした。
「眼鏡、じゃま。・・フィルタなんか、必要ないだろ・・」
「ごめん」
快斗は嬉しそうだ。
新一は快斗の首に腕を回して、引き寄せる。
「快斗、もっと・・」
「うん、分かってる」
快斗は、誘われるままにゆっくりと唇を重ねて、そのまま、新一の体をソファーに押し倒した。
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