Trick or Treat?
黒羽快斗。
普通の高校生、と思いきや、実は天下の怪盗キッド様。
なのに、探偵である俺に正体をばらし、しかも俺の家に入り浸り状態で。
普通に「ただいまー」と帰ってくる。
黒羽は、まぁ・・・なんだ。一応・・その、俺の恋人・・ってやつで。
探偵と怪盗。
なんて困難な恋だろう。
おまけに男同士だなんて。
そんな黒羽は、俺にイヤって程気持ちを伝えてくる。
それこそ毎日。そう、顔を見るたびに、だ。
好きだよ・・・
と、甘く囁くのだ。
そんなに言うと好きの価値が下がるんじゃないのか。と思うくらい。
スキンシップ過多で、隙あらばくっついてキスを仕掛けてくる。
夜も・・・まぁ、その・・な・・・。
と、とにかく。そんな黒羽が!
・・・まったく、俺に触れてくることがなくなった。
日常だった告白も、スキンシップも、セックスも・・・ぱったりとなくなってしまった。
これが、一日二日なら、俺だって気にすることはない。
黒羽にだって色々事情があるだろう。
しかし・・、そんな状態になってから、もう・・一週間が過ぎようとしている。
仕事で遠出していて会えないってんなら、わかる。
けど、普通に家に入り浸っていて。
話もして、飯も一緒に食って。何時もと変わらないのに。
まったくといっていいほど、俺に触れてこなくなった。
そうしたら、いくら俺でも心配になるわけで。
どこか悪いのか、とか・・・。
何かあったのかとか。
でも、そんな考えも浮かんでは消えていく。
だって、俺に触れてこないこと意外はいたって普通なんだ。
考え出すと止まらなくて。
オレは、黒羽のこと意外は、全然考えられなくなっていた。
もしかしたら、俺のこと・・・もぅ、好きじゃないのかもしれない。
ただの、友達に戻りたいのかもしれない、と。
「新一。お風呂空いたよー?」
快斗がタオルで頭を拭きながら、オレに声をかけてきた。
「ん、あぁ・・・」
俺は返事を返して立ち上がり、快斗と入れ違いに風呂場に向かった。
「はー・・・。なかなかキツイ」
新一に触れなくなって一週間も過ぎようとしてる。
欲求不満でどうにかなりそうだし。
最近、たまーに新一ってば凄く寂しそうな顔するから、もぅ、我慢するのに必死。
「でも、もー少し・・かな」
だって、これは計画だから。
新一から・・迫られたいなー、っていう・・・。
あ、今「くっだんねー」って思った奴!!
すっげー切実なんだぜ??
キスはおろか、好きって言葉さえ、新一から貰ったのは・・・付き合うときに一回きり。
愛されてるなー、とは思うケド。新一から言葉と行動で示して欲しい、と思うわけ。
でも・・・。
と快斗は思う。
それで新一を傷つけてたら元も個もないわけで。
せめて、今月だけ!明日までまって。ダメだったら・・・。
そのときは、別にいっか、と思ってしまう。
そういえば、明日はハロウィンだっけ・・・。
リビングのカレンダーを見て、パーティーしたいなーとか考えながら。
自分で作った暖かいカフェオレを飲んだ。
夜中の一時過ぎ。
新一が風呂を出て、快斗とオヤスミ、と言葉を交わして、それぞれの部屋に向かったのが12時前。
もう一時間以上が過ぎようとしている。
新一は、起き上がってベッドを出た。
机の上のカレンダーと時計が目に入る。
あぁ、ハロウィンか。
快斗が好きそうだ。絶対にパーティーするって言うぞ。
そう考えたら自然に笑みがこぼれた。
・・・快斗・・・・
そう、新一が向かおうとしているのは快斗の部屋。ちょうど、新一の向かいの部屋。
これから自分が何をしようとしているのか。
考えるだけで心臓がバクバクいってうるさいけど。
俺だって男だ!やるといったら、やってやるっ!!
こうして、新一のきっと最初で最後であろう、夜這い作戦が始まった。
そっと、快斗の部屋のドアをあける。
音を立てないように慎重に。
そして、同じように閉める。
・・・作戦と言ったが何のことはない。
だた、快斗のベッドに潜り込むだけだ。
そして・・・。いやいや、その先のことはそれから、考えるんだ。
そういえば・・・。快斗の部屋って、入るの・・・どれくらいぶりだろう。
いっつも快斗が俺のトコくるから、全然・・快斗の部屋って来た事ない、かも・・・。
グルリと部屋を見回して。
そっとベッドに足を向ける。
快斗の寝顔が目に入った。
ドキッとする。
快斗の寝顔を夜見るなんて、滅多にないから。
見慣れない・・・。
ベッドに手を置くと、ギシ、と音がして。
その音が思ったより大きく聞こえて。慌てて手を離した。
・・・・・。
ふぅ・・・。息を吐く。
そして、ベッドに乗った。
「・・・かいと・・、快斗・・・」
名前を呼んで、そっと唇を重ねる。
「快斗・・ってば・・。なぁ・・シよ・・・?」
「・・・よろこんで。」
間近で、快斗の悪戯な目と、目が合う。
「っ・・・」
「うれしーなー。まさか新一が夜這いしてくれるなんて」
にっこにこと笑顔で言うから。新一はアタフタしてしまう。
「い、いつからっ!?」
「んー?いつだと・・思う?」
快斗がそう言って。そしたら、次には新一は快斗に組み敷かれていた。
「ちょっ、かいとっ!?」
「ごめん・・・。今のキスで、かなりキたみたい・・・」
「はっ・・!?・・ん・・っ」
突然の深いキスに新一は快斗の腕に落ちた。
「ん・・、ん・・・ぁ・・・っ」
新一の体がシーツの上で跳ねる。
脱がすのももどかしいと肌蹴られただけの上着。
下肢は下着までも剥ぎ取られ、全て快斗の視線にさらされている。
「ひぁ・・ん、や・・・っぁ・・・」
新一のモノは快斗の口に含まれ、口全体で愛撫されるたびに、投げ出された新一の足が跳ねる。
快斗のをどかせようと頭を押していた手は快斗の髪を掴んでいる。
「快斗っ・・・、なぁ・・も、ぃや・・ぁ」
新一が快斗を見ると、新一を口に含んだままの快斗と目が合った。
「っ・・・!!」
真っ赤な新一に、視線で イけよ・・ と言う快斗に、首をふる。
が、強く吸われ、新一はあっけなく快斗の口内に精を吐き出した。
「ン・・・はぁ・・・ぁ・・」
弛緩した身体をシーツの上に放りだし、荒くなった呼吸を整える。
「新一・・・」
そう言って快斗が触れたのは、奥まった新一の後孔に触れた。
そして、新一の出したもので濡れた指をツプと中に入れる。
「っ・・・!?ま、って・・・快斗っ」
「待てない」
「ぃっ・・・あ、ぁ・・・」
「ん?痛い・・?」
言いながら、快斗は指を進めていく。
「すごい、きつ・・」
「ひぁ・・・っ、ヤっ、て・・かい・・・っ、あっ・・!」
ぐるりと指を回して、前立腺を掠める。
新一が息をつめ、艶めいた声が出る。
快斗は乾いてきた入り口に唾液とローションをたらし、指も増やした。
「やぁ・・・、ア・・んッ」
新一のモノが再び頭を擡げてくる。
その反応に目を細め、からかうように囁く。
「ほら、感じてる・・・」
「ん、ゃ・・・っ、言う・・なっ!!」
濡らしたそこから指を動かすたびに くちゅ と音が聞こえる。
それと一緒に新一の口から漏れる甘い声。
久しぶりでキツイそこは、快斗の指をくわえ込んだまま離そうとしない。
それでも、スムーズに出し入れできるほどにソコをほぐした。
指を引き抜く。
「新一・・、入れるよ・・・?」
「ん、ぁっ」
指が抜かれる感覚に新一が声を漏らす。
クス、と空気が揺れる。
「すぐ、あげるから・・」
そう囁いて、新一にキスする。
そして、自身をあてがった。
「っっ-----ぁ、ぁ・・・!!」
「きつ・・・っ」
新一の体がしなる。
喉がからは引きつった声が漏れる。
快斗の腕に爪が立てられた。
唇をかみ締めて我慢する新一に、快斗はキスを落とした。
「だめだよ・・。唇、きれる・・でしょ?」
そう言って深く口付ける。
「ん、ふ・・・ぁ・・」
快斗のキスは、気持ちいい。セックスよりも、キスのほうが好きだ、と新一は思う。
そんな快斗のキスに、新一も舌を絡めて答える。
キスに、新一の体から力が抜けていく。
快斗がそのタイミングを逃すわけがなく。一気に奥に進んだ。
「っ・・・ぁ・・あっ」
「っく・・、ごめん、新一・・・、動く・・」
「えっ、ヤっ・・・!まっ・・・あぁ!!」
新一の静止を聞かず、快斗はぐっと腰を進めた。
快斗が腰を動かすと新一の体が揺れる。
「ひぁっ・・ぅ・・あぁ・・!」
イイトコロをかすったのだろう。新一の口から高い嬌声が漏れた。
勃ち上がっている新一自身の先端からは とろとろ と蜜が零れている。
快斗が新一を攻め立てる。
新一が快斗にしがみついた。
「やぁ・・・ん、快斗っ・・・あっ、かい・・っとぉ・・」
「しんいちっ・・・」
「あ、すき・・・快斗・・・好き・・だっ、から・・・ぁ」
そう言って快斗にキスし、すぐに、ぎゅうっと快斗の首筋に抱きついた。
そんな新一の告白に、新一はドクンと自身が大きくなるのを感じだ。
新一もそれを感じて目を見開く。
「あっ、や・・・」
「しんいち・・・・っ」
快斗の動きが速くなる。
「あ、も・・・っ」
「っく・・・!!」
新一が、白濁を腹の上に放ち。
快斗も、奥に熱を放った。
あれから、どれくらい、していたのか。
久しぶりだからか、なんでか。
新一がとっても乱れて、それがたまらなくて、なかなかやめられなかった。
隣で眠っている新一を見て、笑みを浮かべる。
作戦とかそんなことは関係なくて。
ただただ、とっても好きだなーと。そんな気持ちを思いっきりぶつけ・・・・過ぎたかもしれない。
「ん・・」
「あ。目、覚めた?」
「・・・・・かいと・・・」
寝起きで、ボーっとした頭で、何があったのか、今の状況を考えているだろう。
ボッと新一の顔が朱に染まる。
にっこり、満面の笑みを浮かべている快斗に、新一は布団をかぶってしまった。
そんな新一を布団の上からポンポンと叩く。
「あ、・・・っ」
「んー?」
「お前・・、俺と、その・・・するの。イヤなんじゃなかったのかよ?」
「へ?」
「・・・避けてたろ?最近。俺のこと・・・。だから・・・・」
言外に、不安だったのだ、と。
そう言う新一に、快斗はたまらなくなって抱き締めた。
「かいとっ?」
「好きだよ。新一。嫌なわけないじゃんっ!」
「じゃ、なんで避けてたんだよ?」
「えーっと・・・・」
そう、間近ですごまれて、視線をそらす。
殴られること覚悟で、快斗は結局全てばらしてしまった。
「はぁっ!?んなことのために、俺は・・・っ」
顔を真っ赤にして、快斗に怒鳴る。
「そんなことだけど!!しょーがないじゃん、シテ欲しかったし、言って欲しかったんだからー」
新一は、はー・・とため息を付いた。
心配して損した気分だ。
「快斗。」
「ん・・?」
新一に怒られて、しょぼくれてる快斗に、新一は特別甘い言葉と小さなキスを、唇に贈った。
「どーしよ・・・。すっげー、好き・・新一・・・」
「今更。」
抱き締めてくる快斗に身体を預ける。
「あ。そういえば・・ハロウィンだ、今日。仮装しような!」
「あ?あぁ・・・仮装って・・・」
雰囲気も何もない快斗の言葉に呆れて返す。
しかし、そんなもの、快斗は気にもしない。
「大丈夫!俺が用意するからっ」
「へいへい」
「二人でハロウィンしような!」
「それって・・・楽しいか?」
「俺は、新一がいたら楽しいから」
にっこりと、そして、お決まりのこの言葉を口にする。
「Trick or Treat?」
新一は、一瞬きょとんとして。
苦笑を浮かべた。
「ばーろぉ。甘い菓子なんかやるかよ。」
「えー?」
「悪戯なら、とっくにされた」
悪戯っぽく、快斗に言う。
「うん。俺も、甘いお菓子、貰った」
首筋に口付けられて、それが己だとしり、新一は赤くなる。
そして、言い返す。
「俺には・・?」
「ん?上げるよ?」
そう言って、唇を重ねた。
二人なら、悪戯も、甘いご褒美に変わるから。
Trick or Treat?
ムダに長い。そして、ハロウィン最後のほうだけ。
意味ねー!!
だって、もともと・・・ハロウィンようじゃなかったんだもん。
急遽、こっちに回したんだもん(最低や、コイツ)
読んで損した人、ごめんなさい。
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