プレゼント デート編 「コンラッド、付き合って」 「いいですよ。何処に行くんですか?」 「城下町に。ほら、もうすぐクリスマスだからさ!」 「あぁ・・グレタにですか?」 「うん!」 馬に乗って・・もちろん、2人乗りで・・俺とコンラッドは城下町に向かった。 ちょっぴりデート気分だ。いや、俺的にはデートのつもりだ。 「グレタだけ、買ってませんもんね」 馬を歩かせながら、コンラッドが話し掛けてくる。 「そーなんだよ。困った・・・。グレタって女の子だし、お姫様だしさ。 可愛い、綺麗なのとか喜んでくれるかな?それとも毒女みたいな本かな?」 「陛下からのプレゼントなら、何でも喜びますって」 「陛下って言うなよなー」 せっかく、俺はデート気分だったのに、とは心の中だけで呟いておく。 「すいません、ユーリ」 そんな話をしているうちにあっという間に町についた。コンラッドが馬を下りて、ユーリに手を差し出す。 「さ、ユーリ、降りて」 「うん。ありがと」 コンラッドの手を借りて、馬を下りる。 本当は一人でも平気なんだけど、コンラッドと2人きりの時だけ、こうやって甘やかして貰っている。 「さ、行きましょうか。俺の傍、離れないで下さいよ?」 「わかってるよ、コンラッド」 町はやっぱり賑わっていて、俺は色んな店を覗きながらグレタへのプレゼントを探す。 「あ!・・・この髪飾り、かわいー・・」 青い花のついた髪飾り。青より赤かな? うーん、と唸ってしばらく悩む。 グレタ、何色が好きかなー?ピンクとか?うん、グレタに似合いそう。 「いいんじゃないですか?」 俺の手元を覗き込んで、コンラッドがそう言ってくれる。 「本当?そう思う?」 「ええ」 「んじゃ、これ!」 俺はそれを購入した。 ・・・喜んでくれると、嬉しいな。 「さて、んじゃ、戻ろっか」 グレタへのプレゼントの包みを大事に抱いて、俺はコンラッドを振り返った。 「もう帰るんですか?」 「え?」 首をかしげた俺の耳元に、コンラッドが唇を近づける。 「コンっ・・」 「折角ですから、気分だけじゃなくて、デートして帰りましょう?」 そう言ったコンラッドを思わず見つめてしまう。 ・・・俺の心の中なんて、お見通し? それが嬉しくもあるんだけど。 「ね?」 「うん・・・」 俺ははにかみながら頷いた。 夜編へ
いつかのメージュの付録が元ネタ(笑) 戻