プレゼント 夜編 その日の夜。 俺は風呂に入って、パジャマに着替えて、コンラッドの部屋におじゃましていた。 俺の時計は11時を回ったところなんだけど、ヴォルフラムはもう、俺のベッドで気持ち よく眠っている。 「で、ユーリのプレゼントは?」 「へ?」 「プレゼントですよ」 「だから、俺はいいんだって。サンタ役なんだから」 この間、コンラッドと一緒にみんなの分のプレゼントを買いに行った時に言ったのに。 「・・・では、俺からのプレゼントもいらないんですか?」 「コンラッドからの・・?」 「そう。ユーリがみんなのサンタである前に、あなたは俺の恋人なんですよ?恋人にも、 プレゼントしてはいけませんか?」 「う・・・ぁ・・・」 俺は思わず俯いてしまった。顔が熱い。絶対真っ赤だ。 なんで、そんな恥ずかしいこと・・っ! 「ユーリ」 コンラッドが笑ってるのがわかる。 「ずる・・コンラッド・・・」 なにがずるいのかわからなかったけど、そう言わずには言えなかった。 「ずるくなんてないですよ。それで、ユーリ。何かほしい物は?」 「そんなこと、急に言われても・・・」 俺は思わず視線を彷徨わせた。 「何でもいいですよ?」 「・・・・なんでも?」 「ええ」 「・・・ほんとに?」 「俺が、ユーリの欲しい物を用意しないわけがないでしょう?何でもどうぞ」 俺はちょっと・・いや、大分迷ってから、コンラッドを見上げた。 「う、と・・。じゃぁ、・・・・・・コンラッド、を・・・」 チラッと視線だけを向けて、そう言う。 顔を上げられない。だって、まだ真っ赤なんだ! ただでさえ、恥ずかしいこと言ってるのにっ!! 「俺・・ですか・・」 コンラッドがビックリしたように俺をみて、そう言う。 「いい!やっぱりなし、今のなし!!」 俺は慌てて手を振りながらそう言った。 穴があったら入りたい。そのまま埋まってしまいたい。 でも、コンラッドはそう言う俺の言うことなんて全然聞いてなくて、勢いよく振っていた 手をつかまれた。 「あ・・」 「それは、誘われているととっても?」 「わぁぁーーーっ、言うなっ!恥ずかしいだろっばかっ!」 そう言う俺をコンラッドは抱きしめて、とっても嬉しそうな声で言った。 「いくらでも、差し上げますよ」 「あ・・・ぅ・・・」 そう言って、キスされた。 すぐ後ろには、広すぎず、狭すぎないコンラッドのベッド。 あぁ・・、俺、寝れるかな・・・。 「まさか、ユーリから誘ってくれるなんてね」 珍しかったですよね。 ベッドの上でうつ伏せに寝転がっている俺に、コンラッドがそう言う。 いえ、珍しいどころか、初めてです・・。 コンラッドはそりゃもう、俺が泣くまで、優しく愛してくれた。 アレは、一種のイジメだと思うくらい、焦らして焦らして焦らして。 すっごく恥ずかしいセリフを沢山言った気がする。 最後には、凄く激し・・・・。 ダメだ。 恥ずかしすぎて、コンラッドの顔が見えない。 ついさっきまで、俺はコンラッドの腕の中で、恥ずかしいくらい・・・。 やめよう、思い出すのは。 考えるだけで、体が熱くなりそうだ。 「ユーリ?」 コンラッドの手が、俺の髪を梳く。 「・・・・だって、コンラッドが、芝が欲しいなんていうから・・・」 俺はシーツを被り、枕に顔を埋めたまま、そう言った。 「・・・・」 「なんだよ!仕方ないだろうっ!?」 返事をしないコンラッドに、俺は思わず顔を上げてしまった。 そして、目に入ってきたのはニッコリと笑ったコンラッドの顔。 「いえ。嬉しいです、本当に・・」 そう言って、俺にキスしてくる。 「ん―・・」 腕をコンラッドの首に回して、すると、キスが深くなる。 「ん・・好き、コンラッド・・」 「俺もです」 あなたを、愛していますよ。 おまけへ
ヤッてるシーンは書く予定ないですよー(笑) 戻