蛮ちゃん大好きvvvC




「ばかーっ、蛮ちゃんのバカーッ!」
「わーるかったって、言ってんだろ??」
「あ、謝ったてすむなら警察はいらないんだって、ポールさんが言ってたよっ!!」
「ポールのやろー、何銀次に教えてんだ。」
「もう!ポールさんは悪くないでしょっ!?」


二人はまだ裏路地にいた。
蛮は大して着崩れていなかったし、もう身支度は整っている。
そして、銀次の事後処理をしてやり、今服を着せてやってるところだ。

「もー、うっせーぞ、銀次。耳元でわめくな」
「蛮ちゃん、俺は怒ってるのっ!!わかってる!?」
「わーってんよ、だからこうして謝ってんだろ?悪かったって。」
「あやまってなーい!!」


何をこんなに怒っているかというと、先ほど・・。やってる最中を通りすがりの女の子たちに見られたことだ。

「俺、やめてって、言ったのに・・・。」
「バカか?あんなトコでやめられるわけねーだろ??」
「あのねぇ、だからって・・・・・っ!!」
「ほら、出来たぞ。」

銀次の言葉をさえぎって、蛮は銀次を立たせた。

「歩けるか?」
「っ、大丈夫だよっ!」

赤くなりながら、それは恥ずかしさのせいか、それとも怒っているからか。
蛮は前を歩いていく銀次の背中を見ながら、くわえた煙草に火をつけ、吸い込んだ。
肺の中に煙が広がる。それを一気に出すように、深いため息をついた。







・・・・・気配で、蛮ちゃんが煙草を吸っているのがわかった。
本気で怒ってるんだ。どんなに呆れられてても。
ほんとに恥ずかしかったのにっ!別に、蛮ちゃんとのHがイヤだって言ってるわけじゃないのに。
確かに、初めに気づいてなかった俺が悪いのかも知れないけど・・・。
場所さえ変えてくれたら、俺だって・・・・。
あぁ!でも、あんまり怒りすぎて蛮ちゃんが愛想つかせちゃったらどうしようっ!
でもでも、こればっかりはっ!!けど、嫌われたくないしー・・。
結局、その・・・気持ちよくて、蛮ちゃんは一回だけだけど、俺は・・その、3回くらい・・?はイッちゃったわけだし・・・。
ぐるぐるぐるぐる。
そんなことを一人で考えていて、蛮ちゃんが俺のすぐ後ろにいること何て全然気づかなかった。


「おい、銀次・・・」
「・・・・・・」
「ぎーんーじー」
「もぅ、考え事してるんだから、静かにしててっ!」
「ほーう?考え事って??」
「そりゃ、蛮ちゃんの・・・・・っ」
「俺が、どうしたよ??」

振り返ったら、ニヤニヤと笑っている蛮ちゃんが面白そうに俺を見ていた。
何時の間にか裏路地をでて人通りの多い交差点だ。
・・・・・全然気づかなかったです。
蛮ちゃんがいなかったら、絶対迷子だった、俺・・・。

「ったく、まーだ気にしてんのかよ?」
「当たり前でしょっ!?」

どうして蛮ちゃんは平気なのか、俺にはわかんない。
だって、普通あんなの、AVじゃないんだから、人に見せるものじゃないし、見られたら嫌なものじゃないの??
怒りを思い出した俺は、青信号に変わった横断歩道をスタスタと歩いて行った。

「あ、おい銀次!」

・・・追いかけてきてくれるの解ってるから勝手に歩いていけるの、わかってるんだけどね・・・。

人ごみを抜け、静かな通りに出る。
もう、太陽が沈みかかってた。あー、お月様が出てる。
スバルのある公園が見えてきた。

蛮ちゃんが鍵を持ってるんだから、当然蛮ちゃんがいなかったら車には乗れない。
チラッと、蛮ちゃんのほうを見ると、今回ばかりは俺の怒りは本物だとわかったてくれたらしくって、
いや、もうほとんど怒ってないんだけどさ・・・。少し困ったような顔をしてこちらを見ていた。

うー・・。ごめんなさい、しよっかなぁ・・・?
そう思って、薄いつきを見ていると、近くから声が聞こえた。

「銀次。」
「え?」

声のしたほうを見ると、目の前いっぱいに蛮ちゃんの顔が広がった。
口で息できない。あ、キスか・・・・。
欲情を煽るようなキスじゃなくて、俺の好きな、起きたときとか寝る前にする優しい、唇を合わせるだけのキス。

「ん・・・ん・・」
目を閉じでキスに答えた。何度も何度も。
唇がゆっくり離れる。綺麗な顔が近くにあった。

「ばんちゃ・・・」
「悪かったよ。んなに、怒んな、な?」

わー、蛮ちゃんが、優しい・・・。謝ってくれた。
珍しそうに蛮ちゃんの顔を見る。

「銀次・・・??」

蛮ちゃんが不思議そうな声で聞いてきた。

「へへ。いーよ、蛮ちゃん。許してあげるっ」

そういって、ニッコリ笑って抱きついた。
へへーwたまには拗ねてみるのもいいかも。蛮ちゃん、困ったときはあんな顔するんだー。
なんか、ちょっと可愛かったり。
蛮ちゃんの気配が近くにある。苦笑してるみたいだ。

「へへっ。蛮ちゃん、大好きっ」
「そーかよ」

いいながら、抱きしめてくれる。
あぁ、幸せ。人目なんて気になんないや。

「大好き、蛮ちゃんっ」
「あぁ、知ってる。」


しばらくそのままでいて。
蛮ちゃんは照れてたみたい。えへへ〜wこういうスキンシップは大好きだもんね、俺っw
一人でてんとうむし君に乗っちゃって、俺は慌てて助手席に乗り込んで。
エンジンをかけてHonky Tonkに向かった。ご飯たかりに行くんだってー(笑)

今度は仕事入ったらいいねーなんて話をしながら、いつもどおり。

蛮ちゃん、大好きだよっ!




やっと終わりました。
無事に終わってよかったです。