第四話 最近、顔の良く似たカッコいい男の子が2人でいるところが、良く目撃されるらしい。 それは、洒落たコーヒーカフェだったり、公園だったり・・・ショッピングモールだったり。 でも、それは、つい最近会ったばかりの人たちとは思えないほど仲良しに見えるそうだ。 そんな男の目も女の目引いてしまう見え麗しい当の男2人はというと・・・。 「なー、新一??今日、泊まり行っていー??」 「快斗・・・。お前明日も学校だろ??来るなとは言わないんだから、週末にしろよなー」 そんな周りの目なんかなんのその。 制服姿で学校帰りに寄り道していた。 カフェに入って座る。 ウエイトレスが注文を聞きに来る。 新一のコーヒーと快斗がパフェを頼んで。 ウエイトレスは嬉しそうに厨房に入っていった。 「なー、新一。ホントに新一って吸血鬼・・?」 「ん?まぁ・・一応・・・」 「でも、昼間出歩いても平気だろ・・?他にも、童話とかでは苦手とされてるものも平気だろ・・?」 「あぁ・・。そうだな・・・。昔はどうだったのか知らないけど。吸血鬼も減ってきてるし。 だからこその進化もしてきてるよ。」 「へー・・・」 「だから、昼間も普通に学校に通うし。飯も普通に食べる」 「ふぅん・・・」 「・・・・そいえば、新一の親。見たことないな・・・」 「あぁ、海外だよ。世界中飛び歩いてるから。」 「どっちかがそうなのか?」 「あぁ、母さんがな」 そこまで話して注文していたコーヒーとパフェがきたので、とりあえず口をつける。 2人ともが動きが洗練されていて。それだけで、絵になる。 「快斗こそ・・・」 「ん・・?」 パフェをおいしそうに食べている姿はとてもじゃないけど、高校生男子には見えない。 「なんで、き・・・・、いや、あんなことしてるんだ?」 「んー・・・。」 「それに、一代目じゃないだろ??大分前から・・・俺たちが生まれる前から、いるだろ・・?」 「ピンポーン。調べた??」 「いんや・・。調べたってか・・・。資料が家にあった」 「は?」 「俺の父さんと、知り合いだったらしい・・・」 「へぇ・・・・。」 「・・・快斗が、二代目・・?」 「ま、そーいうこと。17になった時に、知ってさ。後を継いだってわけ」 「ふぅん・・・・」 しばしの無言・・・。 黙ってパフェを食べている快斗と見ながらコーヒーを飲む新一。 「はー、食った」 「は!?あれをもう食い終わったのか!?」 「うん♪」 見ると綺麗になくなっている。 「信じらんねぇ・・」 「そー?」 コーヒーを飲み干す。 「出るか?」 「うん」 にっこり笑って席を立つ。 「あ、割り勘だからな!」 普通に伝票を持ってレジにいく快斗を見てそういう。 快斗はそれにウインクをして、レジに行った。 「家に帰ったら絶対に返すからっ」 「もー、いいのに。」 「やだ。」 「わかったよ・・・」 帰り道。 いつの間にか快斗が新一の家に泊まる事は決定事項になっていたらしい。 住宅地に入り、冬という事もあり、人通りが少ない。 「なー。新一さ、初めて会った時、女の人の血・・。貰ってただろ??」 「あぁ・・」 「あれって、くれっていったの?」 「まさか。向こうから声かけてきたから。」 「ばれねー?」 「血を貰う時に記憶を操作する。俺とのことはなかった事に出来るから。血を取られたことは覚えてない」 「へぇ・・・。血って、毎日飲まないでも平気なんだ??」 「あぁ・・・。まぁ・・・。」 家の玄関を開ける。 「・・・吸血欲と性欲はリンクしている事が多いんだ。喉が乾いた時や貧血の時に貰う事もあるけど。」 「へぇ・・・」 初耳だ、と言うように快斗が感嘆の声を漏らす。 「じゃ、この間のお姉さんとも・・・?」 「え?いや、別に・・?・・・・快斗に逢ったし、な」 ちらっと快斗を見て、にっこり笑う。 その笑顔にドキッとする。 「それに俺、性欲とかそんなに強い方じゃないから。血がほしい時も、結構我慢できる方だし。 ・・・誰彼構わず襲ってられないからな」 「でも、我慢する時って、あるんだ・・・?」 リビングでくつろぎながら、快斗が聞いてきた。 「あ?まぁ・・な・・・」 「じゃぁさ。これからは、俺だけにして・・・?」 「は?」 「襲うの、俺だけにして・・・?」 「なに、言って・・・?」 「俺が、新一に血を提供してあげる。そしたら、欲しい時に相手を探さないでいいし、回りの人間にバレる事もない」 「!本気か・・・?」 「もちろん・・・。言っただろ・・?俺、新一が好きだって・・・」 「!!」 目の前に快斗が迫ってきている。 「かいと・・・・」 「本気だよ・・・?」 新一を追い詰める。 いつの間にか、ソファーの上で快斗を見上げるようにしている。 唇に暖かい感触。 そして、ゆっくりと離れていく。 「じゃ、俺、風呂に入ってくるから・・・」 そういって固まっている新一の上からどいて、風呂場に行ってしまった。 残された新一はリビングを出て行く快斗の後姿を見送るだけだった。この先、どうなるのか・・・、自分にもわかりません(汗)
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